ほとんどの場合で最適な性能が得られるように,データが自然に配置されるように注意してください。1 バイトか 2 バイトの整数型または論理型データを使わなければならないときでも,場合によっては 4 バイトか 8 バイトの位置合わせを指定する方が,性能が向上することがあります (「データが位置合わせされなくなるのを防ぐためのデータ宣言の順序」を参照)。
自然境界とは,データ項目の大きさの倍数であるメモリー・アドレスのことです。データ型の大きさについては,「データの表現」で説明しています。たとえば,自然境界上に位置合わせされた REAL(KIND=8) のデータ項目は,8 の倍数のアドレスを持ちます。配列については,すべての要素がこのように位置合わせされているときに,配列が位置合わせされているといいます。
開始アドレスが自然境界上にあるデータ項目は,「自然に位置合わせされている」といいます。自然境界に位置合わせされていないデータは「位置合わせされていない」データと呼びます。
Compaq Fortran コンパイラは,可能ならば個々のデータ項目を自然に位置合わせしますが,一部の Compaq Fortran 文 (EQUIVALENCE など) では,データが位置合わせされなくなることがあります (「位置合わせされないデータの原因と,自然な位置合わせを保証する方法」を参照)。
DF コマンドの /align:keyword オプションを使うと,データを確実に自然に位置合わせすることができますが,共通ブロックと構造体中のデータ項目のデータ宣言を検証し,順序を変えることを検討することが勧められます。個々の共通ブロック,構造型,または記録構造体中で,データ宣言の順序と大きさを慎重に指定して,データが自然に位置合わせされるようにします。最初に最も大きな数値項目を指定し,次に小さな数値項目を,最後に非数値 (文字) の項目を指定します。
次に示す節では,データの位置合わせの注意事項をより詳しく説明しています。