Visual Fortran 実行時システムは,プログラム実行中に起こる可能性のある多数のエラーを処理します。Visual Fortran 実行時システムが認識する個々のエラーについて,基本処置が定義されています。明示的なエラー処理方式によって置換されない限り,この章で説明している基本処置が実行されます。
Visual Fortran 実行時システムが実際にエラーをどのように処理するかは,次の因子に依存します。
エラーの重大度。たとえば,重大度レベルが警告または情報のエラー・メッセージが検出された場合,プログラムは,通常,実行を続けます。
I/O 文に関連する一部のエラーでは,I/O エラー処理指定子が指定されていたかどうか。
一部のエラーでは,対応するシグナルの基本処置が変更されているかどうか。
算術演算に関連する一部のエラー (浮動小数点例外を含む) では,コンパイラ・オプションによってエラーが報告されるかどうか,また報告されるエラーの重大度を決定することができます。
算術例外状態がどのように報告され処理されるかは,例外の原因とプログラムがどのようにコンパイルされたかに依存します。プログラムが例外を処理できるようにコンパイルされていなければ,例外は,その例外状態を引き起こす命令が実行された後になって初めて報告される可能性があります。
関連情報
Visual Fortran 実行時メッセージが表示される状況とその書式については,「実行時メッセージの表示と書式」を参照してください。
Visual Fortran プログラムの終了時の戻り値については,「プログラム終了時に返される値」を参照してください。
エラーの場所を特定する方法と,エラーと例外の処理に関するコンパイラ・オプションについては,「実行時エラーの場所を特定する方法」と「トレースバック情報の使用」を参照してください。
DF コマンド・オプションと,ビジュアル開発環境内のカテゴリ (「Project Settings」の「Fortran」タブ) については,「コンパイラ・オプションのカテゴリ」を参照してください。
Compaq Fortran の組込みデータ型とその範囲については,「データの表現」を参照してください。
浮動小数点環境については,「浮動小数点環境」を参照してください。
例外と終了ハンドラの作成については,「高度な例外および終了処理の考察」を参照してください。