メイクファイルのドット命令

ドット命令は,記述ブロックの外で,行の先頭に指定します。ドット命令はピリオド (.) で始まり,その後にコロン (:) が続きます。空白とタブを使用することができます。ドット命令名は大文字小文字が区別され,大文字で指定されます。次表にドット命令を示します。

命令 動作
.IGNORE : これが指定された場所からメイクファイルの終わりまで,コマンドが返すゼロ以外の終了コードを無視します。基本設定では,コマンドがゼロ以外の終了コードを返すと,NMAKE は停止します。エラー検査を元に戻すには,!CMDSWITCHES を使用します。1 つのコマンドの終了コードを無視するには,ダッシュ修飾子を使用します。ファイル全体の終了コードを無視するには,/I オプションを使用します。
.PRECIOUS : targets ターゲットを更新するコマンドが停止したときに,ディスク上のターゲットをそのまま残します。コマンドが割り込みの処理でファイルを削除する場合には影響を与えません。ターゲット名は 1 つ以上の空白またはタブで区切ります。基本設定では,NMAKECTRL+C または CTRL+BREAK でビルドが割り込まれると,ターゲットを削除します。個々の .PRECIOUS はメイクファイル全体に適用されます。複数の .PRECIOUS を指定すると,その効果は累積します。
.SILENT : これが指定された場所からメイクファイルの終わりまで,実行されるコマンドの表示を禁止します。基本設定では,NMAKEは呼び出したコマンドを表示します。エコー表示を元に戻すには,!CMDSWITCHES を使用します。1つのコマンドのエコー表示を禁止するには,@修飾子を使用します。ファイル全体のエコー表示を禁止するには,/S オプションを使用します。
.SUFFIXES : list 推論規則の照合に使用される拡張子の一覧を指定します。既定の一覧は .exe .obj .asm .c .cpp .cxx .bas .cbl .for .pas .res .rc です。

.SUFFIXES の一覧の順序を変更したり,新しい一覧を指定するには,一覧をクリアした後に新しい設定を指定します。一覧をクリアするには,コロンの後に拡張子を何も指定しないようにします。

	.SUFFIXES :

一覧の末尾に新たな接尾辞を追加するには,次のように指定します。

	.SUFFIXES : suffixlist

suffixlist は,追加する接尾辞を 1 つ以上の空白またはタブで区切った一覧です。現在の .SUFFIXES の設定を見るには,NMAKE/P オプションを指定して実行します。