Visual Fortran は,FL32 コマンドと,Microsoft Fortran PowerStation 4.0 コンパイラが提供している多数のコマンド行オプションを認識します。コマンド行の互換性についての詳細は,「Microsoft Fortran PowerStation コマンド行との互換性」を参照してください。
Visual Fortran は,Microsoft Fortran PowerStation 4.0 がサポートしている Fortran 90 標準の言語拡張を多数サポートしています。一部の拡張については,/fpscomp コンパイラ・オプションを使用する必要があります (「コンパイラ・オプションのカテゴリ」を参照)。Fortran 90 標準 (および Fortran 95 標準) の拡張には,次のようなものがあります。
.f,.for,.f90 のソース・ファイル形式
# 定数:10 以外の基底を使用する定数
C 文字列:ヌルで終わる文字列
注釈中の MBCS 文字
文字表現中の MBCS 文字
条件コンパイルとメタコマンド (指示文) 式 ($DEFINE,$UNDEFINE,$IF,$ELSEIF,$ELSE,$ENDIF)
!MS$ 指示文形式 (コンパイラ指示文:表を参照)。
$FREEFORM,$NOFREEFORM,$FIXEDFORM:ソース・ファイル形式
$OBJCOMMENT:オブジェクト・ファイルにライブラリー検索記録を格納
$INTEGER,$REAL:大きさの選択
$FIXEDFORMLINESIZE:固定形式ソース行の長さ
$STRICT,$NOSTRICT:F90 合致
$ATTRIBUTES 識別子属性 (C,STDCALL,REFERENCE,VALUE,DLLIMPORT,DLLEXPORT,EXTERN,ALIAS,VARYING)
$PACK:構造体の詰め込み
種別数一致バイト:種別パラメタ
AUTOMATIC 属性:自動記憶類
整数ポインタ (Cray ポインタ)
VAX 構造体 は F90 連続型と等価
論理値と数値の混在:算術演算子と変数で使用される論理型
手続呼び出しでの引数の一致
組込み関数での整数型種別の混在
バイト・データ型は INTEGER*1 と等価
$ATTRIBUTES [] 形式
$ATTRIBUTES ALIAS:副プログラムの外部名
$ATTRIBUTES C,STDCALL:呼び出しおよび名前付け規約
$ATTRIBUTES VALUE,REFERENCE:引数渡し規約
$ATTRIBUTES DLLIMPORT,DLLEXPORT:DLL のインポートとエクスポート
文字と非文字の等価
倍精度複素数データ型
.XOR.:排他的論理和
論理式中の整数引数
OPEN 文の指定子
BLOCKSIZE=:I/O で使用される内部バッファの大きさ
CARRIAGECONTROL=:書式付きファイル出力の制御
MODE=:ネットワーク・システム上のファイルへの探査制御
TITLE=,IOFOCUS=:QuickWin 子ウィンドウの制御
SHARE=:ネットワーク・システム上のファイルへの同時探査制御
基本復帰制御
暗黙の OPEN:ユーザーにファイル名の入力を求める
OPEN 文の FILE 指定子に対する特殊な装置名
INQUIRE/OPEN 文中の FORM=BINARY
書式なし順編成ファイル書式
Q 形編集記述子:入力記録に残っている文字数
\ 形編集記述子:記録終了印の書き出しを行わない
$ 形編集記述子:記録終了復帰を禁止する
X 形編集記述子の基本設定:1
Ew.dDe および Gw.dDe 形編集記述子:Ew.dEe と Gw.dEe に似た編集記述子
可変書式式 (VFE):FORMAT 文中の整数式
FORMAT 文中のないカンマ (,) の拡張:省略可能なコンマ
変数群の開始/終了列の拡張
ドライバ,コンパイラ,および INCLUDE 文を含むすべてのパス名で MBCS が使用可能 [W95 では不可]
UNC パス名
長いファイル名
文の長さは 7200 文字
自由形式での行の長さは無限大
$DECLARE と $NODECLARE (IMPLICIT NONE に似たもの)
真の論理値:0 = 偽,ゼロ以外 = 真
$ATTRIBUTES EXTERN:別のソース・ファイルで割り付けられている変数
$ATTRIBUTES VARYING:可変個の引数
代替 PARAMETER 構文:括弧なし
識別子中の $
INTERFACE TO:サブルーチン/関数プロトタイプ。ただし大域有効範囲はサポートされない
引数渡し修飾子:%VAL,%REF
引数渡し修飾子:%DESCR (%REF と同じように扱われる)
手続名に対する CRAY ポインタのサポート (COM/OLE サポートのため)
$ATTRIBUTES ALLOCATABLE:割付け配列
総称インタフェースでのサブルーチンと関数の混在
$MESSAGE:コンパイル時の出力メッセージ
リスト命令:$TITLE,$SUBTITLE
STATIC 属性:スタティック記憶類
EOF:ファイル終了の検査
LOC:%LOC と等価
HFIX:short integer に変換する
INT1:1 バイト整数に切り捨てて変換する
INT2:2 バイト整数に切り捨てて変換する
INT4:4 バイト整数に切り捨てて変換する
JFIX:INT4 と同じ
MALLOC:バイト単位でメモリー・ブロックを割り付け,そのブロックへの整数ポインタを返す
FREE:整数ポインタによって指定されたメモリー・ブロックを解放する
COTAN:余接を返す
DCOTAN:倍精度余接を返す
IMAG:複素数の虚部を返す
IBCHNG:ビット値を反転させる
ISHA:算術的に左または右にけた移動する
ISHC:循環けた移動する
ISHL:論理的に左または右にけた移動する
次に,Microsoft Fortran PowerStation 4.0 と Visual Fortran 間の非互換性の原因として知られているものを示します。
属性形式宣言における DATA 文形式の初期化 (サポートされていない)
(D 以外の) デバッグ行 (サポートされていない)
$OPTIMIZE:最適化オプションの変更 (サポートされていない)
リスト命令:$PAGE,$PAGESIZE,$LINESIZE,$[NO]LIST,$INCLUDE (サポートされていない)
$DEBUG,$NODEBUG:追加の実行時検査 (サポートされていない)
$LINE = C の #line (サポートされていない)
内部ファイルには任意の形式が可能 (サポートされていない)
負の I/O 装置番号 (サポートされていない)
ソース・ファイルの先頭で INTERFACE [TO] を使用するインタフェース宣言によって,それ以降のプログラム単位に対する大域有効範囲を提供する (サポートされていない)
Visual Fortran は,インタフェース宣言の配置と使用方法に関しては,標準の Fortran 90 の文脈規則を使用します。
1 ~ 9 の数字以外の文字で始まるタブ継続行 (サポートされていない)