固定形式およびタブ形式

Fortran 95 では,固定形式は廃止されています。

固定形式およびタブ形式では,行中に文を置く場所に関して制約が課せられています。

基本設定では,文は第 72 けたまで拡張することができます。この場合,第 72 けたよりも後にあるテキストはすべて無視され,警告メッセージは出力されません。コンパイラ・オプション /extend_source を指定することで,プログラム行を 132 けたまで拡張することができます。

文字文脈中を除き,空白は意味を持たず,プログラム中で可読性を高めるために自由に使用することができます。

一部の Fortran コンパイラは,空白を使用して,短いプログラム行を 72 文字にまで充填します。基本設定では,Compaq Fortran はこのような処理は行いません。移植性が重要である場合,連結演算子を使って,他の Fortran コンパイラがプログラム行を充填するのを防ぐことができます (下の「継続標識」の例を参照)。または,コンパイラ・オプション /pad_source を使って,短いプログラム行を強制的に充填させることができます。

注釈標識

固定形式およびタブ形式では,感嘆符 (!) は,プログラム行中で使用された場合には注釈を示します (固定形式の第 6 けたに現れてはなりません。このけたは継続標識のために予約されています)。

文字 C (または c),星印 (*),または感嘆符 (!) は,プログラム行の第 1 けたに現れた場合,注釈行を示します。

継続標識

固定形式およびタブ形式では,継続行は以下のどちらかによって示されます。

コンパイラは継続宣言の後に続く文字を前の行の一部と見なします。Fortran 95/90 では,固定形式プログラムでは 19 行まで継続することができますが,Compaq Fortran では 511 行まで継続することができます。

継続標識としてゼロまたは空白が使用された場合,コンパイラはその行を Fortran 文の最初の行と見なします。

継続行の文番号欄は,(デバッグ文の場合を除いて) 空白でなくてはなりません。

長い文字定数またはホレリス定数が複数の行に継続されていると,移植性で問題が生じることがあります。このような問題を避けるには,連結演算子 (//) を使用します。

	 PRINT *, 'This is a very long character constant '//
	+         'which is safely continued across lines'

長い文字定数またはホレリス定数でデータを初期化するときも,これと同じ方法を使用してください。

	 CHARACTER*(*) LONG_CONST
	 PARAMETER (LONG_CONST = 'This is a very long '//
	+ 'character constant which is safely continued '//
	+ 'across lines')
	 CHARACTER*100 LONG_VAL
	 DATA LONG_VAL /LONG_CONST/

ホレリス定数は,連結による行の継続を行う前に,文字定数に変換されていなくてはなりません。

デバッグ文標識

固定形式およびタブ形式では,文番号欄は文番号,注釈標識,またはデバッグ文標識を含むことができます。

英字 D は,プログラム行の第 1 けたに現れたときには,デバッグ文を示します。デバッグ文の最初の行は,文番号欄の残りの列に文番号を含むことができます。

デバッグ文を複数の行に継続する場合,すべての継続行が D と継続標識で始まらなくてはなりません。

基本設定では,コンパイラはデバッグ文を注釈として扱います。ただし,コンパイラ・オプションを使用して,デバッグ文をコンパイル対象のプログラム・テキストとして扱うようにコンパイラに指示することもできます。

以下の節では,「固定形式行」と「タブ形式行」について説明しています。

すべてのソース形式の一般的な規則の詳細については,「ソース形式」を参照してください。