プログラム中では,ソース・コードは自由形式,固定形式,またはタブ形式で作成することができます。固定形式またはタブ形式を,同じプログラム中で自由形式と混在させることはできませんが,別々のプログラムであれば異なるソース形式を使用することが可能です。
すべてのソース形式で,大文字の代わりとして小文字を使用することができます。
いくつかの文字は,(注釈か,ホレリスまたは文字定数の中で使用されている場合を除き) ソース・コード中で標識として使用されます。以下に,すべてのソース形式に適用される標識の規則を示します。
注釈標識は,プログラム単位の最初の文の前に,またプログラム単位中の任意の場所に置くことができます。注釈標識がプログラム行の途中に現れた場合,行の終わりまでが注釈となります。
完全な空白行も注釈行となります。
注釈はプログラム単位の解釈には何の影響も与えません。
文の間に文区切り子を置くことで,1 つのプログラム行に複数の文 (または部分的な文) を置くことができます。文区切り子はセミコロン (;) です。
連続して現れたセミコロンは 1 つのセミコロンと見なされます (間に空白があってもなくても同じです)。
セミコロンが行の最後の文字であるか,注釈の前の最後の文字だった場合,セミコロンは無視されます。
行に継続標識を置くことで,文を複数の行にわたって継続することができます。Compaq Fortran では,プログラム中で 511 行まで継続することができます。
継続されている文の途中に注釈を入れることはできますが,注釈行を継続することはできません。
プログラム単位中では,END 文は継続することができません。またプログラム単位中のどの文も,プログラム単位の END 文と見なされかねない行を最初の行として持つことはできません。
次表は,ソース形式の中で標識として使用される文字を要約しています。
ソース形式における標識
項目 | 標識 1 | ソース形式 | 位置 |
注釈 | ! | すべての形式 | プログラム中の任意の位置 |
注釈行 | ! | 自由形式 | プログラム行の先頭 |
!, C, * | 固定形式 | 列 1 | |
タブ形式 | 列 1 | ||
継続行 2 | & | 自由形式 | プログラム行の末尾 |
ゼロまたは空白以外の任意の文字 | 固定形式 | 列 6 | |
ゼロ以外の任意の数字 | タブ形式 | 最初のタブの後 | |
文区切り子 | ; | すべての形式 | 同じ行中の文の間 |
文番号 | 1 ~ 5 けたの数字 | 自由形式 | 文の前 |
固定形式 | 列 1 ~ 5 | ||
タブ形式 | 最初のタブの前 | ||
デバッグ文 3 | D | 固定形式 | 列 1 |
タブ形式 | 列 1 | ||
1 文字がホレリスまたは文字定数に含まれている場合,その文字は標識ではなく,無視されます。
2 どの形式でも 511 行までの行を継続することができます。 3 固定形式およびタブ形式のみ |
固定形式は,.FOR 拡張子を持つファイルの基本設定です。自由形式を次の 3 つの方法の 1 つから選択することができます。
ソース形式と行の長さは,FREEFORM,NOFREEFORM, または FIXEDFORMLINESIZE コンパイラ指示文でいつでも変更することができます。変更は,ファイルの最後までか再び変更されるまで有効です。
すべてのソース形式で使用できるソース・コードでプログラムを書くことができます。
文番号
文番号は,情報を入手したり制御を移す目的のために他の文から引用できるように,特定の文を識別します。文番号は他の文の一部となっていない任意の文の前に置くことができます。
文番号の長さは 1 ~ 5 けたでなくてはなりません。空白と先頭のゼロは無視されます。すべてがゼロの文番号は無効で,空白文に文番号を付けることはできません。
他の文から引用できるのは,文番号付きの FORMAT 文と文番号付きの実行文だけです。FORMAT 文は,I/O 文か ASSIGN 文の書式指定子の中でのみ引用されます。1 つの有効域中では,2 つの文が同じ文番号を持つことはできません。