Fortran Standard Graphics アプリケーション (.EXE) は,単一 QuickWin ウィンドウ中で実行される Visual Fortran QuickWin プログラムです。Fortran Standard Graphics アプリケーション (QuickWin 単一文書) は,Windows 機能を使わずにグラフィックス・ハードウェアを直接操作する MS-DOS プログラムに似ています。
Fortran Standard Graphics アプリケーションでは,グラフィックス出力 (線や基本的な形状の描画など) と,画面のクリアなどのスクリーン機能を使用することができます。Fortran Standard Graphics アプリケーションは QuickWin のサブセットで,QuickWin 単一ウィンドウと呼ばれることがあります。これらのプロジェクトでは,すべての QuickWin グラフィックス関数を使用することができます。ダイアログボックスは,これらを含むすべてのプロジェクト・タイプで使用できます (「ダイアログの使用」を参照)。
テキストはビットマップまたはテキストとして表示できます。Windows はビットマップ・ファイルのロードとアンロードのための API を用意しています。Standard Graphics アプリケーションはシングルスレッドとマルチスレッドのどちらでも作成できます (マルチスレッド・プログラムについての詳細は,「マルチスレッド・アプリケーションの作成」を参照してください)。
Fortran Standard Graphics アプリケーション (QuickWin 単一文書) は,通常はフル・スクリーン・モードで表示されます。この単一ウィンドウは,フル・スクリーンで表示することも,ウィンドウ境界とウィンドウ制御を持たせることもできます。この 2 つのモード間での切り替えは ALT+ENTER によって行います。
選択された解像度が画面の大きさと一致すると,アプリケーションは画面全体を覆います。そうでなければ,スクロールバーによる大きさ変更が可能なウィンドウとなります。Standard Graphics アプリケーションでは,追加のウィンドウを開くことはできません。Standard Graphics アプリケーションは,ウィンドウ上部のメニューバーも下部のステイタスバーも持っていません。
Fortran Standard Graphics アプリケーションは次のような問題に適しています。
数値処理とある程度のグラフィックスを必要とする
高度なユーザー・インタフェースを必要としない
Fortran Standard Graphics アプリケーション・プロジェクト・タイプを選択すると,ビジュアル開発環境には QuickWin ライブラリーが自動的に追加され,グラフィックス関数が利用できるようになります。コマンド行からビルドを行うときには /libs:qwins オプションを指定しなければなりません。Fortran Standard Graphics アプリケーション・プロジェクトをビルドするときには,複数ウィンドウ・プロジェクト用の実行時関数は使用できません。Fortran Standard Graphics アプリケーションを DLL にすることはできません。
Fortran Standard Graphics アプリケーション (QuickWin 単一ウィンドウ) についての詳細は,「QuickWin の使用」を参照してください。