構成は,プロジェクト内で作成される最終的な 2 進出力ファイルを定義します。新しいプロジェクトを作成すると,ビジュアル開発環境は次の構成を作成します。
「Debug」構成 | 基本設定では,「Debug」構成は,デバッグ情報を追加するためのプロジェクト・オプションを設定します。また,最適化を行いません。アプリケーションをデバッグするには,プロジェクトの「Debug」構成でビルドする必要があります。 |
「Release」構成 | 「Release」構成はデバッグ情報を含んでおらず,ユーザーが選択したすべての最適化を行います。 |
構成の選択は,「Build」メニューの「Set Active Configuration」で行います。複数の構成を同時に活動状態にすることはできません。
プロジェクトをビルドすると,現在選択されている構成でビルドされます。
「Debug」構成を選択していた場合,Debug という名前のサブフォルダに,プロジェクトのデバッグ用に作成された出力ファイルが格納されます。
「Release」構成を選択していた場合,Release という名前のサブフォルダに,プロジェクトのリリース用に作成された出力ファイルが格納されます。
構成には次の特性があります。
Fortran Static Library,Fortran Console アプリケーション,Fortran QuickWin アプリケーション,Fortran Windows アプリケーションなどのように,ビルドする Fortran アプリケーション・タイプを指定します。
コンパイラ・オプション,リンカー・オプションを含むビルドに使用するオプション (プロジェクト設定) を指定します。
「Debug」構成と「Release」構成は,通常は同じソース・ファイルの組を使用しますが,プロジェクト設定に関する情報は一般に異なります。たとえば,基本「Debug」構成はすべてのデバッグ情報を追加し,最適化を行わないのに対し,基本「Release」構成は最小限のデバッグ情報を追加し,すべての最適化を行います。
また,プロジェクト内に新しい構成を定義することもできます。これらの構成は,プロジェクト内の既存のソース・ファイル,既存のプロジェクト設定,または既存の構成のその他の特性を使用することができます。ただし,既存の構成と特性や内容をまったく共有しない構成を新たに作成することも可能です。
たとえば,最初の時点で,Win32 環境用のアプリケーションを指定する「Debug」構成と「Release」構成を作成し,プロジェクトにソース・ファイルを追加したとします。後に,プロジェクト内で,Win32 環境用の DLL を指定する「Debug」構成と「Release」構成を作成し,この構成にまったく異なるファイルの組を追加し,これらの構成をアプリケーション構成の依存関係にすることができます。
プラットフォーム・タイプ
プラットフォーム・タイプはプロジェクトのオペレーティング環境を指定します。プラットフォーム・タイプは,コンパイラがソース・ファイルに対して使用するオプション,リンカーがそのプラットフォームで使用するスタティック・ライブラリー,出力ファイルの基本場所,既定の定数値といった,特定のプラットフォームで必要なオプションを設定します。Visual Fortran は,Win32 プラットフォーム・タイプをサポートします。
関連情報
現在の構成のプロジェクト・ビルド・オプションを表示および変更するには,「Project Settings」ダイアログボックスを使用します (「ビルド・オプションの設定」を参照)。
ビルド中のエラーについては,「ビルド中のエラー」を参照してください。