実行時の環境変数

Visual Fortran 実行時システムは,次表に示した環境変数を認識します。

環境変数 説明
FOR_ACCEPT ACCEPT 文では明示的な論理装置番号は指定されません。その代わりに,ACCEPT 文は暗黙の内部的な論理装置番号と FOR_ACCEPT 環境変数が使用されます。FOR_ACCEPT が指定されていなければ,「ACCEPT f,iolist」というコードは CONIN$ (標準入力) から読み取りを行います。FOR_ACCEPT が定義されていれば (オプションとしてパスを含んだファイル名),指定されたファイルが読み取られます。
FORT_BUFFERED ターミナルへの出力を除いて,バッファ I/O を全ての Fortran I/O 装置の出力に使用するように要求します。これは,/assume:buffered_io コンパイラ・オプションをサポートするための実行時機構を提供します。
FOR_DEFAULT_PRINT_DEVICE DISPOSE='PRINT' 指定子で閉じられた (CLOSE 文) ファイルに対して,基本印刷装置 PRN (LPT1) 以外の印刷装置を指定することができます。CLOSE 文の DISPOSE='PRINT' 指定子で関連付けられたファイルに対して別の印刷装置を指定するには,プログラムを実行する前に,環境変数 FOR_DEFAULT_PRINT_DEVICE を任意の有効な DOS 印刷装置に設定してください。
FOR_DIAGNOSTIC_LOG_FILE ファイル名が設定されていると,指定されたファイルに診断出力を書き出します。スタック・トレース情報の使用方法については,「実行時エラーの場所を特定する方法」と「トレースバック情報の使用」を参照してください。
FOR_DISABLE_DIAGNOSTIC_DISPLAY 真に設定されていると,すべてのエラー情報が表示されなくなります。これは,プログラムのエラー状態をテストしたいだけで,Fortran 実行時システムにプログラムの異常終了に関する情報を表示させたくはない場合に便利です。スタック・トレース情報の使用方法については,「トレースバック情報の使用」を参照してください。
FOR_DISABLE_STACK_TRACE 真に設定されていると,重大なエラー・メッセージ・テキストの表示の後に続くコール・スタック・トレース情報が表示されなくなります。スタック・トレース情報を使って実行時エラーの原因を特定する方法については,「実行時エラーの場所を特定する方法」と「トレースバック情報の使用」を参照してください。
FOR_ENABLE_VERBOSE_STACK_TRACE 真に設定されていると,エラーが起こったときに,より詳しいコール・スタック情報を表示します。スタック・トレース情報の使用方法については,「トレースバック情報の使用」を参照してください。
FOR_FULL_SRC_FILE_SPEC 基本設定では,トレースバック出力はソース・ファイル欄にファイル名と拡張子だけを表示します。パスを含む完全なファイル名情報を表示するには,環境変数 FOR_FULL_SRC_FILE_SPEC を真に設定してください。詳細については,「トレースバック情報の使用」を参照してください。
FOR_GENERATE_DEBUG_EXCEPTION Visual Fortran バージョン 6 では,この環境変数を設定しなくても,重大なエラーが起こったときにプログラムをデバッガー内で停止させることができるようになりました。この環境変数が設定されているかどうかにかかわらず,コール・スタック表示を見ることができます。詳細については,「デバッグ中の実行時エラーの場所を特定する方法」を参照してください。
FOR_IGNORE_EXCEPTIONS 真に設定されていると,「Just-in Time」デバッグの許可といった基本実行時の例外処理が無効になります。実行時システムの例外ハンドラはオペレーティング・システムに対して EXCEPTION_CONTINUE_SEARCH を返し,オペレーティング・システムはこの例外を処理する他のハンドラを探します。「Just-in Time」デバッグについての詳細は,「Fortran アプリケーションの実行」と『Visual C++ Development Environment User's Guide』を参照してください。
FOR_NOERROR_DIALOGS 真に設定されていると,特定の例外またはエラーが起こったときに,ダイアログボックスの表示を無効にします。これは,多数のテスト・プログラムをバッチ・モードで実行するときに,実行が失敗したためにテスト・ストリーム全体が停止するのを避けたい場合に便利です。
FOR_PRINT PRINT 文でも WRITE 文でも,装置番号の代わりに星印 (*) を指定する場合,明示的な論理装置番号は使用されません。その代わりに,どちらの文でも暗黙の内部的な論理装置番号と FOR_PRINT 環境変数が使用されます。FOR_PRINT が定義されていなければ,「PRINT f,iolist」または「WRITE (*,f) iolist」というコードは CONOUT$ (標準出力) に書き出しを行います。FOR_PRINT が定義されていれば (オプションとしてパスを含んだファイル名),指定されたファイルへ書き出されます。
FOR_READ READ 文で,装置番号の代わりに星印 (*) を指定する場合,明示的な論理装置番号は使用されません。その代わりに,暗黙の内部的な論理装置番号と FOR_READ 環境変数が使用されます。FOR_READ が定義されていなければ,「READ(*,f) iolist」または「READ f,iolist」というコードは CONIN$ (標準入力) から読み取りを行います。FOR_READ が定義されていれば (オプションとしてパスを含んだファイル名),指定されたファイルが読み取られます。
FOR_RUN_FLAWED_PENTIUM 真に設定されていると,/check:flawed_pentium (基本設定) が有効になっており,欠陥を持つ Pentium チップが検出された場合,プログラムの続行を許可します。詳細については,「Intel Pentium の浮動小数点の欠陥 (ia32 システムのみ)」を参照してください。
FOR_TYPE TYPE 文では明示的な論理装置番号は指定されません。その代わりに,暗黙の内部的な論理装置番号と FOR_TYPE 環境変数が使用されます。FOR_TYPE が定義されていなければ,「TYPE f,iolist」というコードは CONOUT$ (標準出力) に書き出しを行います。FOR_TYPE が定義されていれば (オプションとしてパスを含んだファイル名),指定されたファイルへ書き出されます。
FORTn コンパイラ・オプション /fpscomp:filesfromcmd が指定されておらず,OPEN 文でファイル名が指定されていないか,暗黙の OPEN が使用されたときに,特定の装置番号 (n) に使用するファイル名を指定することができます。装置 0,5,および 6 に事前に接続されているファイルは,基本設定ではシステムの標準 I/O ファイルに関連付けられています。
FORT_CONVERTn データ書式の指定方法」で説明しているように,特定の装置番号 (n) に関連付けられた書式なしファイルのデータ書式を指定することができます。
FORT_CONVERT.ext
FORT_CONVERT_ext
データ書式の指定方法」で説明しているように,特定のファイル拡張子 (ext) を持つ書式なしファイルに対するデータ書式を指定します。

コマンド行では,SET コマンドを使って次の操作を行うことができます。

プログラムからは,SETENVQQ ルーチンを呼び出すことで,適切な環境変数を設定することができます。

	program ENVVAR
	use dflib
	integer*4 res
	! ここに他のデータ宣言を追加します
	! 関数として SETENVQQ を呼び出します
	res=SETENVQQ("FOR_GENERATE_DEBUG_EXCEPTION=T")
	...

DF コマンドで使用される環境変数の一覧については,「DF コマンドで使用される環境変数」を参照してください。