複数のプロジェクト間で共有される構成要素を整理するには,Common Object File Format (COFF) オブジェクト・ファイルのライブラリーを作成すると便利です。
Microsoft ビジュアル開発環境では,さまざまなダイアログを使って,オブジェクト・ライブラリーの作成と管理を行うことができます。コマンド行では,Microsoft 32-Bit Library Manager (LIB.EXE) を使って COFF オブジェクト・ライブラリーの管理,ダイナミック・リンク・ライブラリー (DLL) のビルド時にエクスポートしたシンボル定義を参照するためのエクスポート・ファイルやインポート・ライブラリーの作成,ライブラリー・メンバの抽出などを行うことができます。
LINK は,32 ビット・プログラムをビルドするときに,LIB が作成した標準ライブラリー,インポート・ライブラリー,およびエクスポート・ファイルを使用します。LINK については「コマンド行からのコンパイラとリンカーの使用」と「コンパイラとリンカーのオプション」で説明しています。この 3 つの LIB モード (標準 (COFF) ライブラリーの作成,インポート・ライブラリーとエクスポート・ファイルの作成,およびライブラリー・メンバの抽出) は相互排他的です。LIB は一度に 1 つのモードでしか使用できません。
LIB を使うと,次のライブラリー管理タスクを実行することができます。
既存のライブラリー・ファイル名と,新しいオブジェクト・ファイル名を指定します。
ライブラリーのファイル名を指定します。1 回の LIB コマンドで,オブジェクトを追加し,複数のライブラリーを結合することができます。
置き換えるメンバ・ブジェクトを含んでいるライブラリーと,新しいオブジェクト (またはそれを含んでいるライブラリー) のファイル名を指定します。同じ名前のオブジェクトが複数の入力ファイルに含まれている場合,LIB は LIB コマンドで最後に指定されたオブジェクトを出力ライブラリーに格納します。ライブラリー・メンバを置き換えるときには,新しいオブジェクトまたはライブラリーを,古いオブジェクトを含んでいるライブラリーの後に指定するように注意してください。
/REMOVE オプションを使用します。LIB は,コマンド行での順序にかかわらず,すべての入力オブジェクトを結合した後に,/REMOVE の指定を処理します。
この節では,Microsoft 32-Bit Library Manager (LIB.EXE) について説明しています。次のトピックがあります。