LIB の基本モードでは,COFF オブジェクト・ライブラリーのビルドまたは変更を行います。/EXTRACT (オブジェクトをファイルにコピーする) または /DEF (インポート・ライブラリーをビルドする) を指定しなければ,LIB はこのモードで動作します。
オブジェクトやライブラリーからライブラリーをビルドするには,次の構文を使用します。
LIB [options...] files...
次表に,ライブラリーのビルドと変更に適用されるオプションを示します。
オプション | 説明 |
/CONVERT | インポート・ライブラリーを以前の (Visual C++ V5.0) 形式に変換します。 |
/LIBPATH:dir | 環境ライブラリー・パスを置換します。詳細については,「/LIBPATH」(リンカー・オプション) を参照してください。 |
/LIST | 出力ライブラリーに関する情報を標準出力に表示します。出力はファイルにリダイレクトすることができます。/LIST を使うと,既存のライブラリーを変更することなく,その内容を調べることができます。 |
/LINK50COMPAT | 下位互換性のために,以前の (Visual C++ V5.0) 形式のインポート・ライブラリーを生成します。 |
/OUT:filename | 基本出力ファイル名を置換します。基本設定では,出力ライブラリーはコマンド行の第 1 ライブラリーまたはオブジェクトの基本名と,拡張子 .LIB を持ちます。 |
/REMOVE:object | 指定された object を出力ライブラリーから削除します。LIB は,まずすべてのオブジェクト (オブジェクト・ファイルとライブラリーの両方) を結合することで出力ライブラリーを作成した上で,/REMOVE で指定されたオブジェクトを削除します。 |
/SUBSYSTEM | 出力ライブラリーにリンクすることで作成されるプログラムをどのように実行するかをオペレーティング・システムに指示します。詳細については,「/SUBSYSTEM」(リンカー・オプション) を参照してください。 |
他の LIB オプションについては,次の節で説明しています。
files としては COFF オブジェクト・ファイル,32 ビット OMF オブジェクト・ファイル,および既存の COFF ライブラリーが指定できます。LIB は,指定されたファイルのすべてのオブジェクトを含んでいるライブラリーを 1 つ作成します。入力ファイルが 32 ビット OMF オブジェクト・ファイルだった場合,LIB はライブラリーをビルドする前に,これを COFF に変換します。LIB は,16 ビット・バージョンの LIB によって作成されたライブラリーに含まれている 32 ビット OMF オブジェクトは受け付けません。この場合には,まず 16 ビットの LIB を使ってオブジェクトを抽出し,抽出されたオブジェクト・ファイルを 32 ビット LIB への入力として使用する必要があります。16 ビット・バージョンの LIB は Visual Fortran には付属していません。
基本設定では,LIB は最初のオブジェクトまたはライブラリー・ファイルの基本名と拡張子 .LIB を使って,出力ファイルに名前を付けます。同じ名前のファイルがすでに存在していると,出力ファイルは既存のファイルを上書きします。既存のライブラリーを残すには,/OUT オプションを使って出力ファイル名を指定する必要があります。
LIB では,次のライブラリー管理タスクを実行することができます。
既存のライブラリーのファイル名と,新しいオブジェクトのファイル名を指定します。
ライブラリーのファイル名を指定します。1 回の LIB コマンドで,オブジェクトを追加し,複数のライブラリーを結合することができます。
置き換えるメンバ・オブジェクトを含んでいるライブラリーと,新しいオブジェクト (またはそれを含んでいるライブラリー) のファイル名を指定します。同じ名前のオブジェクトが複数の入力ファイルに含まれている場合,LIB は LIB コマンドで最後に指定されたオブジェクトを出力ライブラリーに格納します。ライブラリー・メンバを置き換えるときには,新しいオブジェクトまたはライブラリーを,古いオブジェクトを含んでいるライブラリーの後に指定するように注意してください。
/REMOVE オプションを使用します。LIB は,コマンド行での順序にかかわらず,すべての入力オブジェクトを結合した後に,/REMOVE の指定を処理します。