以下の Fortran 90 機能は,これまでの Fortran 機能を改善したものです。
プログラム・テキストで小文字が使用できるようになりました。1 つのプログラム行に含まれる複数の文を,セミコロン (;) を使って区切ることができます。Fortran 文字集合に新たな文字が追加され,名前の長さの上限は 31 文字になりました (下線 (_) を含む)。
詳細については,「プログラム構造,文字,およびソース形式」を参照してください。
組込みデータ型は,必要な有効数字または精度を示す種別パラメタを使って,移植性の高い形で宣言することができます。また,数値の精度を宣言したり,そのプロセッサーの精度特性に関する問い合わせを行える新しい組込み関数が用意されています。
詳細については,「データ型,定数,および変数」と「組込み手続」を参照してください。
引数を任意の順番で並べることができるようにするため,手続引数を省略可能にしたり,手続を呼び出すときにキーワードを使用したりすることができます。
詳細については,「プログラム単位と手続」を参照してください。
Fortran 90 では,OPEN および INQUIRE 文のための新しいキーワードが追加されています。また,変数群書式と,非前進型 (ストリーム) の文字指向入出力も可能です。
書式化の詳細については,「データ転送 I/O 文」を参照してください。OPEN と INQUIRE については,「ファイル操作 I/O 文」を参照してください。
Fortran 90 では,新しい制御構文 (CASE) が追加され,DO 構文が改善されています。DO 構文は CYCLE および EXIT 文を使用することができ,制御節 (WHILE など) を追加することができます (追加しなくてもかまいません)。すべての制御構文 (CASE,DO,および IF) に名前を付けられるようになりました。
詳細については,「実行制御」を参照してください。
Fortran 90 では,FORTRAN 77 と比べて,多数の組込み手続が追加されています。これらの新しい組込み手続の多くは,配列の作成と変換を含めて,配列に対する数学的演算をサポートするものです。新しいビット操作組込み手続と数値精度組込み手続が追加されています。
詳細については,「組込み手続」を参照してください。
Fortran 90 には,以下の宣言文が新たに追加されています。
Fortran 90 では,型宣言文と宣言文の中で,属性 (PARAMETER,SAVE,および INTRINSIC など) を宣言することができます。
詳細については,「型宣言文」を参照してください。
これらの概念は,FORTRAN 77 では暗黙のうちに使われていましたが,Fortran 90 では明示的に定義されました。FORTRAN 77 では,有効域という用語はプログラム単位に適用されていましたが,Fortran 90 はこの用語を拡張して,内部手続,インタフェース宣言,および構造型定義にも適用しています。
詳細については,「有効範囲と結合」を参照してください。