構文:
/traceback,/notraceback,または /Zt
/traceback オプションは,実行時に重大なエラーが起こったときに,ソース・ファイル・トレースバック情報を表示できるように,オブジェクト・ファイル中に余分な情報を生成するようにコンパイラに要求します。
/traceback を指定すると,次の効果があります。
重大なエラーが起こったときに表示されるメッセージに,ソース・ファイル,ルーチン名,および行番号の関係情報が表示されます。
実行形式プログラムの大きさが増えますが,実行時の実行速度には影響がありません。
DF コマンド行とビジュアル開発環境の「Release」構成での基本設定は /notraceback です。ビジュアル開発環境の「Debug」構成での基本設定は /traceback です。
トレースバックが指定されていないと,重大なエラーが起こったときに表示されるコール・スタック 16 進アドレス (プログラム・カウンター・トレース) には,ソース・ファイル名,ルーチン名,および行番号は表示されません。ただし,上級ユーザーは,.MAP ファイル (リンカー・オプションの /map) と,重大なエラーが起こったときに表示されるスタックの 16 進アドレスをもとに,エラー原因の場所を特定することができます (「トレースバック情報の使用」を参照)。
ビジュアル開発環境では,「Fortran」タブの「Run time」カテゴリの「Generate Traceback Information」を指定します。
/traceback オプションは,/debug オプションとは独立に機能します。
トレースバックを要求するときには,同時に増分リンクを無効にするべきです。新しいプロジェクトのビジュアル開発環境での「Debug」構成では,トレースバックを指定すると増分リンクは行われません。コマンド行を使う場合,/traceback を指定すると,/link /incremental:no が設定されます。増分リンクを無効にするには,「Project Settings」ダイアログボックスの「Link」タブを使用するか,コマンド行上で DF /link /incremental:no を指定します。
/traceback (または /Zt) を省略すると,/notraceback が使用されます。
トレースバック情報を使って実行時のエラーの場所を特定する方法については,「トレースバック情報の使用」を参照してください。
TRACEBACKQQ ルーチンを呼び出すことによっていつでもトレースバック情報を要求するためには,「TRACEBACKQQ を使ったトレースバック情報の入手」を参照してください。
重大なエラーでスタック・トレースバック・レポートを無効にするには,FOR_DISABLE_STACK_TRACE 環境変数を設定します (「トレースバック情報の使用」を参照)。