可搬用ルーチンによる入出力

可搬用ライブラリーは,ファイル・プロパティを変更し,文字とバッファの読み書きを行い,ファイル内のオフセット位置を変更するルーチンを含んでいます。これらの入出力ルーチンは,次の点に注意した上で,READWRITE などの標準 Fortran 入出力文とともに,同じファイルに対して使用することができます。

これらのルーチンを使用した結果として I/O エラーが生じると,Visual Fortran 実行時エラーが発生します。

次表に入出力ルーチンを示します。

可搬用ルーチン 説明
ACCESS モードに従ったファイルの参照が可能かどうかを検証します。
CHMOD ファイル属性を変更します。
FGETC 外部装置から文字を読み取ります。
FLUSH 外部装置に対するバッファをそれに関連付けられたファイルにフラッシュします。
FPUTC 外部装置に文字を書き出します。
FSEEK 外部装置上のファイルの位置を変更します。
FTELL ファイルの先頭からのバイト単位のオフセットを返します。
GETC 装置 5 から文字を読み取ります。
PUTC 装置 6 に文字を書き出します。

すべてのパス名は,ドライブ指定,斜線,またはバックスラッシュを含むことができます。

一部の可搬用ファイル I/O ルーチンについては,Fortran 95/90 標準に等価なルーチンがあります。ACCESS 関数は,名前で指定されたファイルのモードに従った参照が可能かどうかを検証します。これはファイルに対する読み込み権,書き込み権,および実行権があるかどうかを検証し,ファイルが存在するかどうかを検証します。この関数は,プログラムの OPEN 文で指定されたファイル属性でなく,ディスク上に存在するファイル属性を扱います。

ACCESS の代わりに,INQUIRE 文で ACTION パラメタを使うことで,同じ情報を得ることができます。ACCESS 関数は,FAT ファイルの読み込み権についてはつねに 0 を返します。つまり,すべてのファイルに対して読み込み権があるということです。