アプリケーションのコンパイル (およびリンク) には,DF コマンドと FL32 コマンドのどちらでも使用することができます。DF コマンドと FL32 コマンドの主な違いは,一部のコマンド行オプションの基本設定です。
FL32 は,最適化を要求しません。「/[no]optimize」を参照してください。
FL32 は,数学ライブラリーに渡す引数と,返される結果を検証するように要求します (/math_library:check または /Od)。「/math_library」を参照してください。
FL32 は,最小限のデバッグ情報しか提供しません (/debug:minimal または /Zd)。「/[no]debug」を参照してください。
FL32 は,Microsoft Fortran PowerStation との完全な互換性を要求します (/fpscomp:all)。「/[no]fpscomp」を参照してください。
FL32 は,PARAMETER の代替構文を禁止します (/noaltparam)。「/[no]altparam」を参照してください。
FL32 は,書式なしファイルの記録長の単位をバイト単位にするように要求します (/assume:byterecl)。「/assume」を参照してください。
FL32 は,引数の不一致に対して警告を発行するように要求します (/warn:argument_checking)。「/[no]warn」を参照してください。
FL32 は,個々のソースを別々にコンパイルし,通常ならば削除される中間ファイルを残します (/keep)。これにより,高い最適化レベルでの手続間の最適化が行えなくなります。「/[no]keep」を参照してください。
FL32 は,複数のファイルを別々にコンパイルするときの情報メッセージを表示しません。「/warn:fileopt」を参照してください。
FL32 は,インライン展開を要求しません (/inline:none)。「/[no]inline」を参照してください。
FL32 は,モジュール・ファイルをオブジェクト・ファイルと同じディレクトリに格納します。「/[no]module」を参照してください。
DF コマンドと FL32 コマンドには,次の共通点があります。
DF /Odx test2.for FL32 /Odx test2.for
DF コマンド行と FL32 コマンド行の両方が,大部分の Microsoft Fortran PowerStation 形式のオプション (/Ox など) と,すべての Visual Fortran オプション (/optimize:4 など) をサポートします。Microsoft Fortran PowerStation 形式のコンパイラ・オプションと Visual Fortran コンパイラ・オプションの詳しい対応を示した一覧については,「等価な Visual Fortran コンパイラ・オプション」を参照してください。
新規のプログラムと,大部分の既存のアプリケーションでは,Compaq Fortran コンパイラを使用してください (基本設定)。Compaq Fortran コンパイラと,Visual Fortran が使用する言語は,以前のバージョンの Compaq Fortran (DIGITAL Fortran, DEC Fortran),VAX FORTRAN,および Microsoft Fortran PowerStation 4.0 との互換性を考慮した拡張が加えられた Fortran 90 標準のスーパーセットを提供します。
/LINK の後の LINK コマンド・オプションは,リンカーに直接渡されます。これらのオプションについては「リンカー・オプションと関連情報」で説明しています。
たとえば,ファイル text.txt に次の文字列が含まれているとします。
/pdbfile:testout.pdb /exe:testout.exe /debug:full /optimize:0 test.f90
次に示すコマンド (DF または FL32) は,ファイル text.txt の内容を間接コマンド・ファイルとして実行し,実行形式プログラムのデバッグ・バージョンと,それに関連付けられた PDB ファイルを作成します。
DF @test.txt FL32 @test.txt
Microsoft Fortran PowerStation 4.0 との互換性を要求するには,/[no]fpscomp オプションを指定します。
DF コマンドの使用方法については,「コマンド行からのコンパイラとリンカーの使用」を参照してください。