リンカー・オプションは次の方法で指定することができます。
DF コマンド行を使用するときには,/LINK オプションの後にリンカー・オプションを指定します。次に例を示します。
DF file.f90 file.lib /LINK /NODEFAULTLIB
LINK コマンドを使って,リンカー・オプションとライブラリーを指定することができます。次に例を示します。
LINK file.obj file.lib /NODEFAULTLIB
「Project」メニューの「Settings」を選択して表示する「Project Settings」ダイアログボックスの 「Link」タブを使って,リンカー・オプションとライブラリーを指定することができます。
次表にリンカー・オプションを示します。
リンカー・オプション | 機能 |
/ALIGN | プログラムの線形アドレス空間中での各項目の位置合わせを指定します。 |
/BASE | プログラムのベース・アドレスを設定し基本場所を置換します。 |
/COMMENT | 実行形式ファイルまたは DLL のヘッダにセクション・ヘッダの配列後に注釈文字列を挿入します。 |
/DEBUG | 実行形式ファイルまたは DLL のデバッグ情報を作成します。 |
/DEBUGTYPE | Microsoft 書式 (CV),COFF 書式,またはこの両方のいずれかの形式でデバッグ情報を生成します。 |
/DEF | リンカーにモジュール定義 (.DEF) ファイルを渡します。 |
/DEFAULTLIB | LINK が引用を解決するときに検索するライブラリー一覧に 1 個以上のライブラリーを追加します。 |
/DELAY | DLL のロード遅延を制御します。 |
/DELAYHOLD | DLL のロード遅延を行います。 |
/DLL | 主出力ファイルとして DLL をビルドします。 |
/DRIVER | Windows NT カーネル・モード・ドライバをビルドするために使用します。 |
/ENTRY | 実行形式ファイルまたは DLL の開始アドレスを設定します。 |
/EXETYPE | 仮想デバイス・ドライバ (/VXD オプション) をビルドするときに使用します。 |
/EXPORT | プログラムから関数をエクスポートします。 |
/FIXED | オペレーティング・システムに対して,標準ベース・アドレスでのみプログラムをロードするように指示します。 |
/FORCE | 引用されているシンボルが定義されていない,または複数回定義されている場合でも,有効な実行形式ファイルまたは DLL を作成するようにリンカーに指示します。 |
/HEAP | ヒープの大きさをバイト単位で設定します。 |
/IMPLIB | エクスポートを含んでいるプログラムを LINK がビルドするときに作成するインポート・ライブラリー名を設定します。 |
/IMPORT | Visual Fortran には適用されません。 |
/INCLUDE | 指定されたシンボルをシンボル表に追加するようにリンカーに指示します。 |
/INCREMENTAL | リンカーが増分リンクをどのように処理するかを制御します。 |
/LARGEADDRESSAWARE | アプリケーションが 2 GB よりも大きなアドレスを処理できることをリンカーに通知します。 |
/LIBPATH | 環境変数 LIB のライブラリー・パスを置換します。 |
/LINK50COMPAT | 下位互換性を保つために,インポート・ライブラリーを古い (Visual C++ バージョン 5.0) 書式で生成します。 |
/MACHINE | プログラムの対象プラットフォームを指定します。 |
/MAP | マップ・ファイルを生成するようにリンカーに指示します。ファイル名も指定できます。 |
/MAPINFO | マップ・ファイル (/MAP) に指定された情報を入れるようにリンカーに通知します。 |
/MERGE | 第 1 のセクションを第 2 のセクションと組み合わせ,結果として得られたセクションに名前を付けます。 |
/NODEFAULTLIB | 外部引用を解決するときに検索されるライブラリー一覧から,すべての基本ライブラリー,または指定されたライブラリー名を削除するようにリンカーに指示します。 |
/NOENTRY | LINK が _main への引用を DLL にリンクしないようにします。 |
/NOLOGO | 著作権メッセージとバージョン番号の表示を禁止します。また,コマンド・ファイルのエコー表示も禁止します。 |
/OPT | LINK がビルドの際に行う最適化を制御します。 |
/ORDER | 特定のパッケージ関数を,事前に指定した順序でイメージに取り込むように LINK に指示することで最適化を行うことができます。 |
/OUT | LINK が作成するイメージ・ファイルの基本名と場所を置換します。 |
/PDB | リンカーがデバッグ情報をどのように生成するかを制御します。 |
/PDBTYPE | デバッグ情報の格納にどのプログラム・データベース (PDB) が使用されるのかを制御します。 |
/PROFILE | プロファイラで使用できる出力ファイルを作成します。 |
/RELEASE | 実行形式ファイルのヘッダにチェックサムを設定します。 |
/SECTION | セクションの属性を変更し,そのセクションの .OBJ ファイルがコンパイルされたときに設定された属性を置換します。 |
/STACK | スタックの大きさをバイト単位で設定します。 |
/STUB | Win32 プログラムに MS-DOS スタブ・プログラムを添付します。 |
/SUBSYSTEM | オペレーティング・システムに対して,実行形式ファイルの実行方法を指示します。 |
/SWAPRUN | オペレーティング・システムに対して,まずリンカー出力をスワップ・ファイルにコピーし,そこから実行形式ファイルを実行するように指示します (Windows NT, Windows XP または Windows 2000)。 |
/VERBOSE | リンク・セッションの進捗に関する情報をアウトプット・ペインに送ります。 |
/VERSION | 実行形式ファイルまたは DLL のヘッダにバージョン番号を格納するようにリンカーに通知します。 |
/VXD | 仮想デバイス・ドライバ (VxD) を作成します。 |
/WARN | LINK 警告の出力を決定します。 |
/WS | 実行形式ファイルに WS_AGGRESSIVE 属性を追加します。 |
次表は,リンカーのオプションと,それと等価な Microsoft ビジュアル開発環境のオプションを示しています (存在する場合)。コマンド行のみと示しているオプションは,「Project Settings」ダイアログボックスの「Link」タブの「Common Options」テキストボックスに入力することができます。Microsoft ビジュアル開発環境の使用方法については,「プログラムとライブラリーのビルド」を参照してください。
リンカー・オプション | Microsoft ビジュアル開発環境のオプション |
/ALIGN | コマンド行のみ |
/BASE | Output カテゴリ |
/DEBUG | Debug カテゴリ |
/DEBUGTYPE | Debug カテゴリ |
/DEF | コマンド行のみ |
/DEFAULTLIB | コマンド行のみ |
/ENTRY | Output カテゴリ |
/FORCE | Customize カテゴリ |
/INCLUDE | Input カテゴリ |
/INCREMENTAL | Customize カテゴリ |
/LIBPATH | Input カテゴリ |
/MAP | Debug カテゴリ |
/NODEFAULTLIB | Input カテゴリ |
/NOLOGO | Customize カテゴリ |
/OUT | Customize カテゴリ |
/PDB | Customize カテゴリ |
/PDBTYPE | Debug カテゴリ |
/PROFILE | General カテゴリ |
/STACK | Output カテゴリ |
/VERBOSE | Customize カテゴリ |
/VERSION | Output カテゴリ |
この節では,個々のリンカー・オプションについての説明に加えて,「モジュール定義ファイル」と「リンカーの予約語」についても説明しています。