リンカー・オプションと関連情報

リンカー・オプションは次の方法で指定することができます。

次表にリンカー・オプションを示します。

リンカー・オプション 機能
/ALIGN プログラムの線形アドレス空間中での各項目の位置合わせを指定します。
/BASE プログラムのベース・アドレスを設定し基本場所を置換します。
/COMMENT 実行形式ファイルまたは DLL のヘッダにセクション・ヘッダの配列後に注釈文字列を挿入します。
/DEBUG 実行形式ファイルまたは DLL のデバッグ情報を作成します。
/DEBUGTYPE Microsoft 書式 (CV),COFF 書式,またはこの両方のいずれかの形式でデバッグ情報を生成します。
/DEF リンカーにモジュール定義 (.DEF) ファイルを渡します。
/DEFAULTLIB LINK が引用を解決するときに検索するライブラリー一覧に 1 個以上のライブラリーを追加します。
/DELAY DLL のロード遅延を制御します。
/DELAYHOLD DLL のロード遅延を行います。
/DLL 主出力ファイルとして DLL をビルドします。
/DRIVER Windows NT カーネル・モード・ドライバをビルドするために使用します。
/ENTRY 実行形式ファイルまたは DLL の開始アドレスを設定します。
/EXETYPE 仮想デバイス・ドライバ (/VXD オプション) をビルドするときに使用します。
/EXPORT プログラムから関数をエクスポートします。
/FIXED オペレーティング・システムに対して,標準ベース・アドレスでのみプログラムをロードするように指示します。
/FORCE 引用されているシンボルが定義されていない,または複数回定義されている場合でも,有効な実行形式ファイルまたは DLL を作成するようにリンカーに指示します。
/HEAP ヒープの大きさをバイト単位で設定します。
/IMPLIB エクスポートを含んでいるプログラムを LINK がビルドするときに作成するインポート・ライブラリー名を設定します。
/IMPORT Visual Fortran には適用されません。
/INCLUDE 指定されたシンボルをシンボル表に追加するようにリンカーに指示します。
/INCREMENTAL リンカーが増分リンクをどのように処理するかを制御します。
/LARGEADDRESSAWARE アプリケーションが 2 GB よりも大きなアドレスを処理できることをリンカーに通知します。
/LIBPATH 環境変数 LIB のライブラリー・パスを置換します。
/LINK50COMPAT 下位互換性を保つために,インポート・ライブラリーを古い (Visual C++ バージョン 5.0) 書式で生成します。
/MACHINE プログラムの対象プラットフォームを指定します。
/MAP マップ・ファイルを生成するようにリンカーに指示します。ファイル名も指定できます。
/MAPINFO マップ・ファイル (/MAP) に指定された情報を入れるようにリンカーに通知します。
/MERGE 第 1 のセクションを第 2 のセクションと組み合わせ,結果として得られたセクションに名前を付けます。
/NODEFAULTLIB 外部引用を解決するときに検索されるライブラリー一覧から,すべての基本ライブラリー,または指定されたライブラリー名を削除するようにリンカーに指示します。
/NOENTRY LINK_main への引用を DLL にリンクしないようにします。
/NOLOGO 著作権メッセージとバージョン番号の表示を禁止します。また,コマンド・ファイルのエコー表示も禁止します。
/OPT LINK がビルドの際に行う最適化を制御します。
/ORDER 特定のパッケージ関数を,事前に指定した順序でイメージに取り込むように LINK に指示することで最適化を行うことができます。
/OUT LINK が作成するイメージ・ファイルの基本名と場所を置換します。
/PDB リンカーがデバッグ情報をどのように生成するかを制御します。
/PDBTYPE デバッグ情報の格納にどのプログラム・データベース (PDB) が使用されるのかを制御します。
/PROFILE プロファイラで使用できる出力ファイルを作成します。
/RELEASE 実行形式ファイルのヘッダにチェックサムを設定します。
/SECTION セクションの属性を変更し,そのセクションの .OBJ ファイルがコンパイルされたときに設定された属性を置換します。
/STACK スタックの大きさをバイト単位で設定します。
/STUB Win32 プログラムに MS-DOS スタブ・プログラムを添付します。
/SUBSYSTEM オペレーティング・システムに対して,実行形式ファイルの実行方法を指示します。
/SWAPRUN オペレーティング・システムに対して,まずリンカー出力をスワップ・ファイルにコピーし,そこから実行形式ファイルを実行するように指示します (Windows NT, Windows XP または Windows 2000)。
/VERBOSE リンク・セッションの進捗に関する情報をアウトプット・ペインに送ります。
/VERSION 実行形式ファイルまたは DLL のヘッダにバージョン番号を格納するようにリンカーに通知します。
/VXD 仮想デバイス・ドライバ (VxD) を作成します。
/WARN LINK 警告の出力を決定します。
/WS 実行形式ファイルに WS_AGGRESSIVE 属性を追加します。

次表は,リンカーのオプションと,それと等価な Microsoft ビジュアル開発環境のオプションを示しています (存在する場合)。コマンド行のみと示しているオプションは,「Project Settings」ダイアログボックスの「Link」タブの「Common Options」テキストボックスに入力することができます。Microsoft ビジュアル開発環境の使用方法については,「プログラムとライブラリーのビルド」を参照してください。

リンカー・オプション Microsoft ビジュアル開発環境のオプション
/ALIGN コマンド行のみ
/BASE Output カテゴリ
/DEBUG Debug カテゴリ
/DEBUGTYPE Debug カテゴリ
/DEF コマンド行のみ
/DEFAULTLIB コマンド行のみ
/ENTRY Output カテゴリ
/FORCE Customize カテゴリ
/INCLUDE Input カテゴリ
/INCREMENTAL Customize カテゴリ
/LIBPATH Input カテゴリ
/MAP Debug カテゴリ
/NODEFAULTLIB Input カテゴリ
/NOLOGO Customize カテゴリ
/OUT Customize カテゴリ
/PDB Customize カテゴリ
/PDBTYPE Debug カテゴリ
/PROFILE General カテゴリ
/STACK Output カテゴリ
/VERBOSE Customize カテゴリ
/VERSION Output カテゴリ

この節では,個々のリンカー・オプションについての説明に加えて,「モジュール定義ファイル」と「リンカーの予約語」についても説明しています。