DF コマンドは,複数ファイルを処理することができます。処理できるファイルはソース・ファイル,オブジェクト・ファイル,またはオブジェクト・ライブラリーです。
ファイルがパスまたは作業用ディレクトリに含まれていない場合,ファイル名の前にディレクトリ・パスを指定してください。
ファイル拡張子は,そのファイルがコンパイラとリンカーのどちらに渡されるかを決定します。DF コマンドでは,次の形式のファイルが使用されます。
コンパイラに渡されるファイル:.f90,.for,.f,.fpp,.i,.i90,.inc,.fi,.fd,.f77
典型的な Fortran (DF コマンド) ソース・ファイルのファイル拡張子は,.f90,.for および .f です。ソース・ファイルを編集する場合,自由形式または固定形式 (またはタブ形式と呼ばれる固定形式の一種) のどちらかのソース形式を選択する必要があります。ソース・ファイルが使用するソース形式を指定するのにどちらかのコンパイラ・オプション (/free または /fixed) を使用することができます。または,ファイルを作成または名前の変更を行う時に以下のファイル拡張子を使うこともできます。
コンパイラは,.f90,.F90,または .i90 の拡張子を持つファイルを自由形式ソースと仮定します。
コンパイラは,.f,.F,.for,.FOR,または .i の拡張子を持つファイルを固定形式 (またはタブ形式) ソースと仮定します。
リンカーに渡されるファイル:.lib,.obj,.o,.exe,.res,.rbj,.def,.dll
たとえば,オブジェクト・ファイルは,通常,.obj 拡張子を持ちます。.lib 拡張子を持つファイルは,通常,ライブラリー・ファイルです。
DF コマンドが生成する出力には次のものがあります。
オブジェクト・ファイル (.OBJ):コマンド行で /compile_only,/keep,または /object オプションを指定した場合
実行形式ファイル (.EXE):/compile_only オプションを指定しなかった場合
ダイナミック・リンク・ライブラリー・ファイル (.DLL):/dll オプションを指定し,/compile_only オプションを指定しなかった場合
モジュール・ファイル (.MOD):コンパイルするソース・ファイルが Fortran 90 モジュールを定義している場合 (MODULE 文)
プログラム・データベース・ファイル (.PDB):/pdbfile または /debug:full (またはこれと等価な) オプションを指定した場合
リスト・ファイル (.LST):/list オプションを指定した場合
ブラウザ・ファイル (.SBR):/browser オプションを指定した場合
これらのファイルが生成されるかどうかは,DF コマンド行で適切なオプションを指定することで制御できます。/compile_only オプションまたは /keep オプションを指定しない限り,コンパイラは 1 個以上のソース・ファイルから,1 個の一時的なオブジェクト・ファイルを生成します。その後,リンカーが起動されて,オブジェクト・ファイルを 1 個の実行形式ファイルにリンクします。
コンパイル途中で致命的なエラーが発生するか,/compile_only などの特定のオプションを指定していた場合,リンクは行われません。
パスまたはファイル名に空白や特殊文字が含まれている場合,ファイルの場所を示す名前全体を引用符 (") で囲みます。次に例を示します。
DF "Project xyz\fortmain.f90"
入力および出力ファイルの命名についての詳細は,次の節を参照してください。