次表に,Visual Fortran で使用できるツール一覧を示します。
ツール | 説明 |
ビジュアル開発環境の統合ツール | |
エディタ | 一般的な編集機能を提供します。Fortran の構文を認識し,カスタマイズが可能です。詳細については,『Visual C++ User's Guide』の「Text Editor」を参照してください。 |
デバッガー | 一般的なデバッグ機能を提供します。詳細については,「Fortran プログラムのデバッグ」を参照してください。 |
フォーマット・エディタ (FRMTEDIT) | 書式コードと,その結果として得られるデータ構成を表示します。詳細については,「フォーマット・エディタによる書式記述子の編集」を参照してください。 |
モジュール・ウィザード (MODWIZ) | FortranでのComponent Object Model (COM) とオートメーション (OLE オートメーション) オブジェクトの使用を単純化します。詳細については,「COM およびオートメーション・オブジェクトの使用」を参照してください。 |
プロファイラ (PROFILE,PLIST,および PREP) | 実行されないコードを調べたり,アプリケーションが多くの時間を費やしている場所を表示します。詳細については,「コマンド行からのコードのプロファイル」を参照してください。 |
リソース・エディタ | プロジェクトのためのユーザー・インタフェース構成要素を開発します。たとえば,ダイアログボックスを作成することができます。詳細については,「ダイアログの使用」と,『Visual C++ User's Guide』の「Resource Editors」を参照してください。 |
ソース・ブラウザ (BSCMAKE) | プログラム内のシンボルに関する詳しい情報を含んだ情報ファイルを作成します。この情報が表示されるブラウザ・ウィンドウでは,ソース・コード内をシンボルのインスタンスで移動することができます。詳細については,「構成のソース・ブラウザ情報」を参照してください。 |
その他のツール 1 | |
リンカー (LINK) | オブジェクト・ファイルとライブラリーをリンクし,32 ビットの実行形式ファイルまたは DLL を作成することができます。詳細については,「コマンド行からのコンパイラとリンカーの使用」と「コンパイラとリンカーのオプション」を参照してください。 |
ライブラリーアン (LIB) | オブジェクト・ライブラリーを管理し,ダイナミック・リンク・ライブラリー (DLL) をビルドするときに使用するエクスポートされたシンボル定義を参照するためのインポート・ライブラリーを作成し,ライブラリー・メンバを抽出することができます。詳細については,「LIB によるライブラリーの管理」を参照してください。 |
Microsoft Binary File Dumper (DUMPBIN) | .obj,.exe,および .lib ファイルに関する各種の情報を表示します。詳細については,「DUMPBIN によるファイルの確認」を参照してください。 |
Microsoft Binary File Editor (EDITBIN) | プログラムの実行特性を変更することができます。詳細については,「EDITBIN によるファイルの編集」を参照してください。 |
BitViewer (BITVIEW) | 実数の 2 進表現を単精度および倍精度の書式で表示することができます。詳細については,「BitViewer による浮動小数点表現の表示」を参照してください。 |
CVTRES | 2 進リソース・ファイル (.res) をリンク可能なオブジェクト (.obj) ファイルに変換することができます。詳細については,後述の「CVTRES」を参照してください。 |
DDESpy (DDESPY) | プロセス間の Dynamic Data Exchange (DDE) 活動状況を監視することができます。詳細については,『Visual C++ User's Guide』の「Windows Utilities」を参照してください。 |
FPP | Fortran ファイルの前処理を行うことができます。C のプリプロセッサー (CPP) に似ています。詳細については,「/fpp」を参照してください。 |
FPR | Fortran の復帰制御規約に従って書式設定されたファイルを,ライン・プリンタの規約に従って書式設定されたファイルに変換することができます。詳細については,「Fortran ツール:FSPLIT と FPR」を参照してください。 |
FSPLIT と FSPLIT90 | 複数のルーチンを含んでいる Fortran ファイルを,個別のファイルに分割することができます。FSPLIT は FORTRAN 77 ファイルに,FSPLIT90 は Fortran 90 ファイルに使用することができます。詳細については,「Fortran ツール:FSPLIT と FPR」を参照してください。 |
Microsoft Program Maintenance Utility (NMAKE) | 記述 (メイクファイル) ファイルに含まれているコマンドに基づいて,プロジェクトをビルドすることができます。詳細については,「NMAKE によるプロジェクトのビルド」を参照してください。 |
OLE Object Viewer (OLEVIEW) | 任意の COM クラスの表示,構成,検証,および活動状態にすることができます。OLEViewer とも呼ばれます。詳細については,後述の「OLE Object Viewer」を参照してください。 |
PView (PVIEW) | システムで実行されているプロセスとスレッドを確認し,変更することができます。詳細については,『Visual C++ User's Guide』の「Windows Utilities」を参照してください。 |
リソース・コンパイラ (RC) | 実行形式ファイルに取り込めるように,各種のリソースをコンパイルします。詳細については,「リソース・コンパイラのコマンド行」を参照してください。 |
Running Object Table Viewer (IROTVIEW) | OLE Running Object Table の内容を表示することができます。詳細については,後述の「Running Object Table Viewer」を参照してください。 |
Spy++ (SPYXX) | ウィンドウ・メッセージを監視することができます。詳細については,『Visual C++ User's Guide』の「Windows Utilities」を参照してください。 |
WinDiff (WINDIFF) | 2 ファイルまたは 2 ディレクトリ間の相違をグラフで比較することができます。詳細については,『Visual C++ User's Guide』の「Windows Utilities」を参照してください。 |
ZoomIn (ZOOMIN) | Windows デスクトップ領域を取り込み,拡大することができます。詳細については,『Visual C++ User's Guide』の「Windows Utilities」を参照してください。 |
1 「その他のツール」に示したツールをコマンド・ウィンドウから参照するためには,『Compaq Visual Fortran Installing and Getting Started』の「7.3 Using the Command-Line Interface」の説明に従って,Visual Fortran 環境を初期化する必要があります。
ツールに関するその他の情報
この節では,本書では詳しく触れていないツールについて簡単に説明します。
2 進リソース・ファイル (.res) はリンクすることはできません。CVTRES を使うと,2 進リソース・ファイルをリンク可能なオブジェクト・ファイル (.obj) に変換することができます。次に例を示します。
cvtres /out:test.obj test.res
Running Object Table Viewer (IROTVIEW)
Running Object Table Viewer を使うと,OLE Running Object Table (ROT) の内容を表示することができます。この表には,現在メモリー上に存在している ActiveX および OLE オブジェクトに関する情報が含まれています。
OLE/COM Object Viewer (OLEViewer) を使うと,次の操作を行うことができます。
マシンにインストールされているすべての Component Object Model (COM) クラスを,構造的に表示することができます。
個々のクラスのレジストリ項目を読みやすい書式で表示することができます。
システム上の (Java ベースのクラスを含む) 任意の COM クラスを構成することができます。これには Distributed COM のアクティベーションとセキュリティ設定も含まれます。
Distributed COM の有効化/無効化も含めて,システム全体の COM 設定を構成することができます。
任意の COM クラスを,その名前をダブルクリックすることで検証できます。クラスがサポートしているインタフェース一覧が表示されます。インタフェース・エントリをダブルクリックすると,そのインタフェースのテスト実行を行うビューアが呼び出されます。
COM クラスをローカルまたはリモートで活動状態にすることができます。これにより Distributed COM の設定を検証することができます。
タイプ・ライブラリーの内容を見ることができます。これにより,ActiveX コントロールがサポートしているメソッド,プロパティ,およびイベントを調べることができます。
適切な書式の OBJECT タグをクリップボードにコピーし,HTML ドキュメントに挿入することができます。
OLEViewer はプラグインのインタフェース・ビューアをサポートしています。インタフェース・ビューアのコードは OLEView (IVIEWERS.DLL中) に含まれています。