この節では,DF コマンドの書式について説明します。また,DF コマンド・オプションのアルファベット順一覧も示します。
DF コマンドは,コンパイラ・オプションとリンカー・オプションの両方を受け付けます。DF コマンドを指定するときの規則には次のものがあります。
リンカー・オプションを除き,オプションは任意の順序で指定できる。
リンカー・オプションは,他のオプションに続いて,その前にキーワード /link を付け,コマンド行の末尾に指定する必要がある。
DF コマンドは次の形式を持ちます。
DF options [/link options]
options
コンパイラまたはリンカー・オプションの並び。これらのオプション並びは,次の形式を持ちます。
[/option:[arg]] [filename.ext]...
/option[:arg]
コンパイラまたはリンカーに実行させる特殊な動作か,入力または出力ファイルの特殊な特性を示します。
オプションとその名前には,次の規則が適用されます。
オプションは斜線 (/) で始まります。斜線の代わりに負符号 (-) を使うこともできます。
Visual Fortran のオプションでは,大文字小文字は区別されません。Microsoft Fortran PowerStation のオプションとの互換性のために用意されている /FA や /Fafile など一部のオプションは,大文字小文字が区別されます。
オプション名は短縮することができます。そのオプションを一意に識別できるだけの文字数を入力すれば十分です。
一部のオプションは,オプション名の後に 1 個以上のキーワード引数を受け付けます。たとえば,/warn オプションは,argument_checking や declarations などのいくつかのキーワードを受け付けます。
単一キーワードを指定するには,コロン (:) の後にキーワードを指定します。たとえば,次の例は,declarations キーワードを持つ /warn オプションを指定しています。
DF /warn:declarations test.f90
複数キーワードを指定するには,オプション名,コロンに続いて,一連のキーワードをコンマで区切り,全体を括弧で囲みます。この時,キーワード間に空白を挿入することはできません。次に例を示します。
DF /warn:(argument_checking,declarations) test.f90
コロンの代わりに等号 (=) を使うこともできます。
DF /warn=(argument_checking,declarations) test.f90
filename.ext
処理するファイルを指定します。ワイルドカード文字 (*.f90 など) を使用して複数ファイルを指定することもできますし,個々のファイル名を指定することもできます。
ファイル拡張子は,ファイル形式を識別します。Fortran ソース・ファイルのファイル拡張子は,そのソース・ファイルが自由形式 (.f90) と固定形式 (.for) のどちらの形式で記述されているかを表しています。また,コンパイラ・オプションでも,固定形式と自由形式のどちらを使うかを指定することができます (/[no]free を参照)。
ファイル拡張子は,そのファイルがコンパイラとリンカーのどちらに渡されるかを決定します。たとえば,myfile.for と projfile.f はコンパイラに渡され,myobj.obj はリンカーに渡されます。
アルファベット順のコンパイラ・オプション
次表に DF コマンドのオプションをアルファベット順に示します。
DF コマンドのオプション関連情報
DF コマンドの例については,「DF コマンド書式の例」を参照してください。
コンパイラ・オプションのカテゴリについては,「コンパイラ・オプションのカテゴリ」を参照してください。
FL32 コマンドの使用方法については,「Microsoft Fortran PowerStation コマンド行との互換性」を参照してください。
Fortran PowerStation のオプション (/MD など)と,それと等価な DF コマンドについては,「等価な Visual Fortran コンパイラ・オプション」を参照してください。